えっ!うつ(気分障害)が心の生活習慣病!?

ストレスチェックメンタルヘルスワークライフバランス 千葉幸恵

【生活習慣病だから予防可能、なってからは遅い】

 「うつ病は心の風邪」。どこかで耳にしたことがある人も多いでしょう。

しっかり休んで薬を飲んだら治る。なってしまっても大丈夫と思ったアナタ。うつ病はそんなに簡単に治りません。治っても一時的。再発を繰り返しやすいのです。

なぜならば、うつは心の生活習慣病だからです。なる前に日々ちょっとした予防をする。うつ病になるリスクを減らせるなら、どちらを選びますか?

【20年で気分障害患者100万人超えの理由】

 平成23年度患者調査によると気分障害患者は100万人を超えています。調査が始まった平成8年は43万人。15年で約2.5倍に増加しています。その第1の理由は、パソコン、スマートフォン、タブレット、ゲーム機の普及です。

1人1台なんらかの機器を手にしている今、生活リズムは昼夜逆転し、質のよい睡眠時間の減少と不規則な生活につながっているからです。

【ストレスに弱い人を大量産する生活環境】

 最近、夜10時を過ぎても赤ちゃんや子供が電車の中に沢山乗っています。子供は、両親や祖父母の遅い時間まで起きている生活サイクルに合わせて生活をします。寝る直前に食事をしたりお風呂に入ったり、遅くまでTVやパソコンがついている。これでは寝ようとしても神経が休まりません。

 こういった寝不足から昼間に眠くなり、集中できない、イライラする等悪循環がおきます。結果として、学力低下、仕事ができない、原因不明の体調不良が引き起こされます。

 いうなれば、今から生まれてくるあなたの可愛いお子さんやお孫さん達は、私達の生まれた時よりもはるかにうつ病になりやすく、ストレスに弱い環境の中で日々生活しているということなのです。

【生活習慣が関わるセロトニン不足の理由】

1.慢性的な運動不足
2.昼夜逆転など不規則な生活
3.毎日数時間PCやスマホ、ゲームをする
4.肉、魚、乳製品を食べない
5.ひどい便秘
6.アルコールの飲みすぎ(大人)

これらの条件が沢山重なった大人。
その環境で育ってきたストレスに弱い子供の集団が増える。
キレやすく、うまくいかないのは人のせいにする。
その子供たちが大人になって、ストレス社会にさらされる。
そうなると、どうなるのでしょうか。

医療費等は急増し生産性は下降、大変困った状態となります。

【薬を飲んでも・・治らない】

 精神系の薬は、副作用も強い傾向にあります。なおかつ、飲んでもすぐ効く熱や咳の薬のようにはいきません。不足しているセロトニンを増やそうとすると、逆の抑えようとするホルモンが出なくなります。要は出すぎたものを抑える薬を飲むといたちごっことなり、しかも薬の量も増えます。会社を休んで、薬を飲み、毎日のようにパソコン・スマートフォン・ゲーム三昧。これで治ったら大したものです。

 このような病になると仕事もままならないこともあるので、生活費の心配もあります。ずっと治療に専念できるかというと、そうも言ってられない現実が待っています。

【まとめ】

 上記に挙げたセロトニン不足になる6個の原因。見てお気付きの方も多いのではないでしょうか。セロトニンを増やすのは、減る原因の全て逆のことです。運動、食事、睡眠、排泄、アルコール摂取量など、生活に関わることばかりです。

 うつ病はガンのように、即刻命に関わる病気ではありません。しかし、かかってしまうと長い期間あなた自身や家庭、職場に暗い影を落とします。そうなる前に、日常的な生活を通してうつ病になることを防ぐセルフケアを知り、一人一人が実行していくことが大事なのではないでしょうか。

<執筆者紹介>
千葉幸恵

千葉幸恵

以前は証券会社に勤務。その中、従兄が2人26で早逝。命と時間・個の尊厳を痛感し、心理と福祉に適性と可能性を見出す。30前半で事故に遭い障害(制約)と共生へ。見えない軽度の障害は法定雇用率9%超の福祉職では役には立てず、泣く泣く事務職で社会復帰。障害・傷病復職率6割チームの一員として働き、人を障害や病気で判断せず個を見て関わっていった。 その後、東日本大震災を経験し、自らの異動等に伴い社会保険労務士に第二の人生と活路を見出す。精神保健福祉士×社労士として「全ての人が、その人らしく幸せに生きるには?」を、仕事・人生の中で多くの人が実現できるよう日々探究し業務を行っている。